ははがうまれる

本・映画の記録

高校時代の友達に会った時に

読書の話になり薦めてもらった1冊

宮地尚子さんの『ははがうまれる』

月刊誌に掲載されたエッセイをテーマごとに並び替えて

まとめられた本ですが私の心に最も響いたのは

どのテーマでもなく、はじめにの3ページ。

ここに世のお母さんたちが求めている言葉が凝縮されていた。

『母であることには、柔らかさ、あたたかさ、包み込むような感じが

イメージとしてついてまわりがちだ。けれど実際に母であることは

必ずしも簡単なことではなく、いつもイメージ通りに

ふるまえるわけではない。

いつも優しい慈母のような存在であれるわけではない。

母をするということは、おびえたり、かたまったり、意地悪くなったり

冷たくしたり、腹を立てたり、どなったり、

受け入れられずに拒否したり、傷ついたり、傷つけたり

そんなことの連続である。

生まれてくる命はかけがえがなく、

新しく現れた子どもという存在はいとおしい。

それでも、子育ては、きれいごとではすまず、

棘のような瞬間があらわれることだってある』

まさにこの言葉通り!私もこのブログでよく書いているように

母だって生身の人間だからいつも優しく寛大に

子どもと接することは不可能だ。

悩んでこっちが泣きたい!って叫びたい瞬間もある

心が折れて全て投げ出したくなる日もある。

それでも育児でしか体験できない感動があって

我が子をいう存在の愛おしさは何にも代えられないからこそ

乗り越えていけると母になって約4年で何度も感じた。

育児とは育自とよく言うけど全くその通りで

子育てを通して親も子供と共に成長していく。

大人になってから最も人間的に成長する時間ではないかと思うぐらい

毎日が課題と試練の連続で

自分という人間をテストされているような感覚。

冷たくしたり、どなったりして

自己嫌悪になってしまう母親たちが

きっとこの本の最初の3ページで救われるはず。

皆そうなんだ!私だけじゃないんだ!

優しい母のイメージを守れなくてもいいんだ!って

きっと心が軽くなるはず。

少なくとも私はすごく安心できました。

日々思っていたことが

ここに正解として載っていたような嬉しい気持ちになった。

等身大でいい、

例え理想通りの母になれてなくても

我が子を愛おしく思える気持ちがあれば

それで母として正解なんだと。

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