タイトルがすごく気になってたこの1冊。
寺地はるなさん『大人は泣かないと思っていた』
寺地さんの作品は今回が初めて!
農協勤務の32歳、父親と2人暮らしの
時田翼が主人公。
そして章ごとに登場人物それぞれの目線で
ストーリーが描かれている。
タイトルにある通り
私も子供の頃、それもまだ小さい時は
大人は滅多なことで泣かない
強い生き物だと漠然と思っていた。
でも大人になった今だからこそ
子供の頃にはなかった重たいものや
初めて見る愛おしい景色に泣きたくなる時がある
ってようやく分かった気がする。
生きていくって大変だけど
登場人物それぞれが自分という生身の人間と
向き合い、闘って
少しずつ歩みを進めていく様子が美しかった。
寺地さんの文章はすごく読みやすくて
すんなり言葉が入ってくる感じが心地いい♡
他の作品も読んでみたい!と思わせてくれる作家さん。
今回の心に留まった言葉をいくつか☺
『なにもかもうまくいく場所などどこにもない。
どの場所で咲くことを選んでも、
良いことと悪いことの総量は同じなのかもしれない。
生まれてから死ぬまでの時間で均してみれば』
『昔のことにたいして罪悪感を抱えるんじゃなくて、
そうしてまで選びとったものを大切にして
生きてくれるほうがいい、そのほうがずっといい』
『遠くを見過ぎて、目の前にあることを
ないがしろにしないように』
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