間もなく亡くなられて2年になる
樹木希林さんが遺されたメッセージを
まとめた本『一切なりゆき~樹木希林のことば~』
彼女の存在はすごく独特で
仏さまに近いような、そんな不思議な神々しさと
物事をいつも俯瞰で捉え
全てを見透かされるような鋭さが唯一無二だと
そんな印象を持っていました。
希林さんの遺された言葉の多くは
未熟な私にとってまだまだ浅いところしか
理解できない、もっと人生経験を重ねると
少しずつその真意、深意がようやく理解でき
解釈できるようになるんではないかと思うほどに
深く重く響きました。
いつかその真意に心から『あーそういうことか!』と
大きくうなずける日が来るように人間として
毎日を大切な学びにしながら生きて行こうと思いました。
『楽しむのではなくて、面白がることよ。
楽しむというのは客観的でしょう。
中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、
やってけないもの、この世の中』
『要するに生きているのも日常、
死んでいくのも日常なんですよ』
『”きょうよう”があることに感謝しながら
生きています。教養ではなく、
今日、用があるということ。
神様が与えてくださった今日用をひとつずつ
こなすことが日々の幸せだし、最後には、
十分に役目を果たした、自分をしっかり使い切ったという
充足感につながるのではないかしらね』
特に生きること、死ぬことについてのメッセージは
ハッとさせられるものが多く
癌を患ったことで人生観が変わり
”人はかならず終わる”という実感を持てたという
希林さんだから紡げる言葉ばかり。
死を実感しながら、いつか訪れる終わりを感じながら
生きていくとは本当に難しいこと。
ついつい生きていることが当たり前と
感じてしまうからこそ意識しないと忘れてしまう。
人生をかけてじっくりゆっくり
希林さんの言葉を自分の中に落とし込みたい。
娘の内田也哉子さん
彼女の穏やかな中にも1本芯のある感じ
希林さんに似てミステリアスな空気感
そしてセンス抜群の言葉選びがすごく好きなので
次は也哉子さんの作品も読んでみたい。
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