いのちのパレード

本・映画の記録

いのちのパレ―ド 八束澄子

図書館の10代に読んでほしい本コーナーに

置いてあって何となく気になって借りた1冊。

本を開くとすぐ目に入ってきた

『あなたのいちばん

たいせつなものは、なんですか?』

このフレーズに惹かれた。

書き方も斬新で登場人物それぞれの

視点で書かれた17個の章。

同じ場面でもこの人物は

こんな捉え方をしていたんだと

後で気付く面白さがあった。

テーマは『いのち』

中絶、妊娠、出産

産まれて間もない死。

心に響く言葉がたくさん出てくる。

『赤ちゃんはあの小さな体で全身全霊をつかって生まれてきます。

もちろんお母さんもがんばりますが、

赤ちゃんもがんばります。

だからみんなは、産んでもらったんじゃなくて、

自分で生まれてきたんです』

『1つの精子と卵子が出会ってみんなになる確率は

なんと3億分の1です。

ちょっとタイミングがずれてたら、

みんなはみんなにならなかった。

みんながみんなになったのは、キセキみたいなもんなんです』

そっか、私も自分の強い意志で

生まれてきたんだなと再確認させられた。

そして今目の前にいる娘に会えた確率も

私自身が生まれてきた確率もキセキ。

いのちが繋がって繋がって

キセキが繋がって繋がって

今ここにいるんだと。

親子、祖母と孫、姉弟、親友

クラスメイト、カップル

様々な人間関係を通して

いのちについて考えさせられた。

出産を経て母になった私はもちろん

この物語に出てくる中学生世代にも

是非読んでほしい1冊。

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