舟を編む

本・映画の記録

以前より気になってた

三浦しをんさんの『舟を編む』読了📖

出版社の辞書編集部に引き抜かれた馬締光也が

新しい辞書『大渡海』を編んでいく物語。

2012年の本屋大賞受賞作品。

ここ何年と辞書に触れてない

気になることがあってもスマホで調べれば

すぐに答えに辿り着いてしまう時代だけど

やっぱり自分の手で辞書をひいて調べる方が

記憶にも残るな~と反省。

特に数年後、小学校に通う娘には

是非とも辞書で調べるという習慣を

身につけてほしいなと思うぐらい

この作品は辞書作りに情熱と労力、果てしない時間を

捧げる人たちが描かれており

辞書ってこんな過程を経て私の手元にあったんだと

驚きの連続で新しい世界を知れた。

校閲の仕事は以前テレビドラマで取り上げられ

馴染みはあるが辞書編纂はまた全然違うお仕事。

『言葉の海は広くて深い』

作品の中に出てくる台詞にもあるように

言葉は生き物で今なお進化、変化を遂げている。

流行語、死語というワードがあるように

新しく生み出されたり時代の移り変わりにより

使われなくなったりする。

そんな日々変わっていく言葉を言葉で説明する

こんなに難しい作業はない。

『言葉の持つ力。傷つけるためではなく、

だれかを守り、だれかに伝え、

だれかとつながりあうための力に自覚的になってから、

自分の心を探り、周囲のひとの気持ちや考えを

注意深く汲み取ろうとするようになった』

『愛も、心も。言葉によって象られ、

昏い海から浮かびあがってくる』

『先生のたたずまい、先生の言動。

それらを語り合い、記憶をわけあい伝えていくためには、

絶対に言葉が必要だ』

『死者とつながり、まだ生まれ来ぬものたちと

つながるために、ひとは言葉を生み出した』

感動させたり励ましたり分かち合ったり

人間にとって欠かせない言葉。

その言葉と真摯に向き合い

言葉の歴史とともに辞書に残していく

そんな尊い仕事をしてくれている人のおかげで

私たちは疑問に思うことを解消したり

言葉って面白いな、そんな意味もあったんだと

新しい発見ができる。

まだ私が小学生、中学生だった頃

家族団欒のリビングには辞書が置いてあった。

それってどういう意味?と誰かが口にする度

自分で調べなさい!と言われ

皆で楽しく辞書をひいた記憶が色濃く残る。

疑問に思った言葉以外にもそのページに載ってる言葉

適当に開いたページで何気なく目に留まった言葉を

読むだけでも楽しかった。

こうして本を読むようになり

たくさんの言葉に触れることで

感性は少しずつだが豊かになっているはず。

広くて深い言葉にもっともっと触れていきたい。

そしてそこで得たものがこのブログの文章にも

上手く反映できるようになればさらに嬉しい✨

『大渡海』ぜひ実在してほしい!

今度実家に帰ったら昔使ってた辞書が残っているか

屋根裏を探してみよう!

コメント